牛丼小盛りとあさりの味噌汁
案の定、昨日泣いたせいで今朝は目が腫れていた。でも目が腫れた方が二重がくっきりしていい感じなのよね、okok
念入りに化粧しようとしても無意識に溢れる涙のせいでなかなかまとまらず。
とりあえず付き合って初めての誕生日にもらった香水を身に纏い家を出た。
電車に乗り込んでくる彼は下ろしたてのスーツで新品のキャリーケースをひいていた。爽やかな身なりとは裏腹にいつも通りのくだらない会話に安心して目頭が熱くなって、一昨年の誕生日にあげたネクタイピンを付けてくれていたことに堪えきれず私のダムが決壊した。
東京駅も品川駅も空港も、コロナのせいでお店はほぼ閉まっていて関東で食べる最後のごはんは吉野家の牛丼になった。
私は悲しくて寂しくて食欲があまりなかったけれどしっかり食べて心配かけずに送り出すことが使命だと思いなんとか小盛りを食べた。
てか、小盛りなんてあったんだ。
セットの味噌汁や豚汁の存在は知っていたけど、あさりの味噌汁なんてあったんだ。今度1人で行った時にも頼んでみよう。
彼の高校時代の友人たちも見送りに来てくれた。会う度に楽しそうに友人たちの話をしてくれてたからご本人登場に私もちょっとテンション上がってしまった。うわ、本物だ
彼の友人も私も人見知りだからなかなか上手には話せなかったけど優しいし面白いのはなんとなく伝わった。
秒で時間は経って見送りのギリギリ、保安検査場の入り口で微妙な距離感で送り出した。
手荷物検査に手間取る後ろ姿を彼の友人たちとボーッと眺めて。ギリのギリまで、眺めていた。
そのあと私は彼の友人たちに感謝を述べ、「またどこかで」と余所余所しく別れを告げた。こんな時期に空港まで見送りに来てくれるあったかい友人がいるなんて彼は幸せ者だ、と あったかい気持ちになった。
搭乗間際の彼から電話が来て「いい人たちだったよ」と一言言うと「あいつらいて良かったっしょ〜辛気臭くならなくて😌」と、
なるほど、そこまで考えていたのか。また1枚上手をとられた。
私1人で送り出していたら確実に重たい空気になっていただろう。
友人たち、遠くからほんとありがとう。彼の数少ない友人がどんな人たちか知れたことと、それなりにいい雰囲気で送り出せたことに心から感謝申し上げます。
それでも帰りの電車では涙が止まらなくて、京急線の爆音の走行音にあやかって車内で盛大に泣かせていただきました。
駅メロのくるりの「赤い電車」は薄れながらも私の記憶から消えることはないでしょう。
1人知らない土地で新たな門出を迎える彼の期待と不安を、私は地元から静かに見守っています。
置いてかれないように、わたしも仕事頑張らなくっちゃ。